自然エネルギー

自然エネルギーを促進したい人たちって、何で今の状況でも「政府による補助金を」とか「割増での買い上げ制度を」と主張するんでしょう?


本来は一度「税金」として徴収してから業界へと還流するよりも、素直に市場から資金が流れるようにした方が資金全体の効率活用のためには良いはずです。「海外では」といつも海外の事例をひきますが、そもそも海外と比べて日本の政府、というか行政機関の経済効率が格段に悪い事は過去数十年の実績からして明らかで、「補助金は格段に効率の悪い手段であり、使わなくて済むのであれば使わない」ように考えるべきだと思います。
また、利権化するという問題もあります。例えば、そもそも市場性が無いとかいう理由で原発補助金出してたのがその後も延々と生き長らえ利権化しましたよね?


「市場が未成熟」という時期においては仕方がないということもあるのかもしれませんが、直近の統計結果(アンケート結果)では「脱原発を訴える声が50%超」とか「自然エネルギーの活用を求める声が50%超」とかなってるとも主張されているわけで、そうすると潜在的には市場は十分なはずです。例えばその20%、国民の10%が購入に走ると考えた設備投資を行ったとしても(彼らが信じてる程度にその統計が信用のおけるものであれば)損するとも思えません。市場規模さえ出てくれば量産が出来、単価が下がっていくはずで補助金が無くても普及し易くなりますよね?
(「研究のための補助金を」というのであれば話は別ですが、それはまだ商品化以前の段階のテクノロジーであり、今すぐ代替エネルギーになるモノではありません。10年後のために頑張って下さい)


また、「割増で買い上げ」は資本主義の本来のルールとしておかしいものです。
新規参入、スタートアップでは旧勢力に対して新興勢力が不利なのが常で、そこを補う意味はあるのですが、今は原発関連が事故で負債ががっつりとついてるわけで、素直に「電力の自由化」を訴え、自然な市場競争という形に持ち込んでも自然エネルギーがそこまで不利とも思えません。ボーナスを得なくても原発の側にペナルティを科せられるのであれば結果としては勝負が公平になる理屈で、逆に今こそ唯一まっとうな勝負になるチャンスであり、そういう時だからこそきちんと本筋を通すべきなんじゃないかと思うのですがどうなんでしょう?


地震前と今とではだいぶ状況が違うので、以前と一貫性を持って「補助金が要る」とか「割増で」と主張せず、一度立ち止まってよくよく検討するべきだと思います。個人的には、何かあとは投資家が投資をし、企業が頑張れば、きれいな形で育ちそうに感じています。確かに多少のスピードアップにはいいかもしれませんが、利権の種を残す事とのトレードオフがいいとは思えない*1ので、慎重に議論して欲しいところです。

*1:一度利権化すると超適当な審査で支払われる上、政権交代&仕分けに持ち込んだとしても削減されるとは限らないシロモノですから……