面白くなってきた!
Apple と Adobe(Flash) とプログラマが 3 つ巴の争いを展開し、いよいよ面白くなってきました。Jobs(Apple) に邪悪にならない事は無い、と(裏でこっそり)言われた google 率いる Android 陣営も含めれば 4 つ? いずれにせよ、これでまた素敵な競争の下に楽しそうな世界に向けてレースが始まりそうですね。
……って、システム屋さんが仕事になってしまった今では他人事ではなく、できれば早目に「標準」が落ち着いて欲しいので、各方面の問題と希望的展開を書いてみたりします。……まあ、こんなところ読まないでしょうけどね。
Apple
問題点
private API にアクセスするなというのは分かりますが、開発言語や開発環境は縛らないで下さい。
プログラマはそういうのが大嫌いです。Mac が Windows に先駆けて優れたコンピューターを作っておきながら……って古い話は止めましょう。
……考えても見て下さい。もしも2007年、JobsがHTML5+javascriptで書かれたQuake IIをiPhoneでデモしながら、あのカリスマをもってFlashやネイティブアプリの終焉を宣言していたら……今、もう世界は変わっていたかもしれない。そう思いませんか?
しかし、現実にはそういう事ができるプログラマは Google に行ってしまっているではないですか!
確かにそれでビジネスチャンスは得たかもしれませんが、何という遠回りでしょう。もっとプログラマに飴を与えて下さい。
Adobe
問題点
Flash を今のままで RIA のスタンダードとする戦略は不幸をもたらします。止めて下さい。
ひとつには、昨今の Adobe 社製プラグインのセキュリティホール問題は深刻さがあります。このままでは不動の首位と言われた「セキュリティホールのトップランナー」の座をマイクロソフトから奪う事になりかねません。
もうひとつはよく言われる「重さ」ですが、これも問題です。動画と違い、長時間同じようなインターフェースを表示してコントロール経由のイベントを処理しなければならないような画面では、使える状態ではありません。
もっとも後者に関しては私はそれで構わないとも思っています。というのも、Flash が元々、優れた動画プレーヤーであり、今後もそうである事を願っているからです。これは完全に憶測ですが、再生がぶつ切りにならないように作らなければならない動画プレーヤーと RIA の実行インフラとでは、メモリ管理に関しては全く正反対の戦略を要求されているのだと思います。
(Flash にもガベージコレクターがいるんだと思いますが、動画の連続再生を意識するとタイムラインが連続している中でガベージコレクターを働かせる気にはなりません。ガベージコレクターによるメモリの解放は大変重たい処理ですから)
故に、この戦略は放棄して欲しいところなのです。
プログラマ
問題点
Windows が Mac を抜き去った過去の話をひいて、相変わらず「開発者の優位がある」かのような事を言う人もいますが、それはプロプリエタリのプロプリエタリへの勝利であって、厳密にはオープンの勝利ではありませんでした。あの時も、一時の怒りに任せ Windows プラットフォームへアプローチする開発者が多数居た記憶がありますが、冷静に考え、オープンな規格を支持して行くべきでしょう。
AppStore も Google API も Flash もどこまでいってもプロプリエタリです。オープンの理想から言えば HTML5+javascript でデファクトを獲る戦略と発想が必要では無いでしょうか?
さて、今、この標準に足りないものは何でしょうか?
市場が変わってしまっている事を考えるべきでしょう。Palm やスマートフォンが売れずに iPhone が売れたのは何故? 相も変わらず Flash による開発が盛んなのは何故? ……見た目が大事なのではないでしょうか? 開発者が作るごっついインターフェース(私はそれが大好きですがw)と比べて、Apple や Adobe が生み出してくるもののオシャレさはどうでしょう? 今や市場はオタクではなく一般人によって占められているのです。ファッション誌に取り上げられても恥ずかしくない程度のデザインが要求されている気がしてなりません。
希望的展開
HTML5+javascript のオシャレな開発環境の開発が急務でしょう。今、もっとも欠けているものです。
それはイージーな……Flash のようなイージーな開発環境でもあるべきです。それがなければ、開発者人口が増えず、そうして結局、再びプロプリエタリなプラットフォームに敗北する事になりかねません。