ドメインの浪費

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/091231/plc0912312001004-n1.htm
ドメインを押さえずに公表しちゃったら、先に押さえられてしまった、というお話。そりゃ、ドメイン屋(転売屋)が見逃してくれるはずがありませんよね……


ところで com ドメインの濫用は目にあまるものがあります。特にテレビ局が酷くて、特番の度に取得して使い捨てにしています。
ドメインを使い捨てにすると何が問題か? という事ですが、ドメインは通常1年(一部2年)で権利が消失し、「誰でもそのドメインを取得可能」な状態になるものだ、というシロモノなので、第三者が簡単になりすまし(いや、権利はもうその第三者が持って行ってしまっているので、質の悪い事に、現時点では「正規の」サイトになってしまうわけですが……)可能なのです。もちろん、延長手続きは行えますが、取得同様のコストがかかるため「使い捨て」にされています。


元々が有名なドメインであった場合、ウェブのそこら中にリンクが残っていますから、後に取得した人間はかなりの潜在的ページビューを確保できます。そのためこういった使い捨てドメインドメイン屋の餌食になりやすくもあります。
元の作りそっくりのサイトを再構築され、そこに「緊急ニュース! ○月に何かが起こる……」とか、いかにもなリンクを作り、その先で「詳細情報はメールでお知らせします!」とかの個人情報入力フォームを作っておけば、さくっとフィッシングサイトの出来上がりです。「特別プレゼント! スクリーンセーバーです」というリンクの先にウィルスを置いておくようなトラップでも、かなりの数の被害者が出てしまうでしょう。
これが正規のサイトかどうか、ユーザーはもちろん、プログラム的にも見分けの付けようがありません。


使い捨てドメインは後々にリスクが大きいのです。
個人的なおすすめは「専用ドメインの特設サイトにはアクセスしない」これに限ります。これが徹底されれば、誰も特設サイトのためにドメインを取得しなくなってハッピーですしねw
どうしてもアクセスする場合、javascript OFF、プラグイン OFF、cookie クリアなど、あらゆる防御策を施し、「個人情報は入力しない」「配布されているものは受け取らない」といった自衛を行って下さい。
携帯からはできる防衛が限られてしまう*1ので、絶対にアクセスしないで下さい。


ハトミミ.com にも同じ問題がありました。ドメイン失効の折には高度な機密情報を堂々とフィッシングできる素敵なサイトができあがっていたかもしれません。
幸いにも誰かが(おそらくは悪意を持ってでしょうが)ドメインを押さえておいてくれたおかげで、go.jp ドメイン(末尾がこれで終わっているドメインは、政府機関などしか取得する事ができません)に落ち着いてくれました。これはむしろ怪我の功名というヤツでしょう。

*1:サイトにアクセスするだけで端末を特定できる凶悪仕様なので