安いか高いか……

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091005-00000918-yom-soci


ドイツ銀行が素早く計算してくれました。
現行の価格で「1兆7000億円の費用がかかる計算」としながらも、「日本の需要増で、世界の排出量相場が押し上げられる可能性も示した」だそうです。ほぼほぼ、削減努力に掛かるコストとは別に「最低1兆7000億円」と見ていいのではないでしょうか?


現行の価格で、という事なのでこれまでの排出量取引の状況を追ってみると、以下のような感じですね。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20090817/202616/
テクノロジー : 日経電子版
テクノロジー : 日経電子版


現在の価格はだいぶ安いようですよ……
ドイツ銀行の今回の記事は、一方で先物取引と呼ばれる市場でもっと前に買ってしまっている分もあるわけで、排出量取引に熱心な EU の金融機関では、ここでの損(高く買った後に暴落した)を多少なりとも取り戻したい思惑もあるでしょうし、一番最初の記事にあるよう、逃げている投資マネーを引き寄せたい思惑もあるでしょうから、必要な購入量については額面通りには受け取れないでしょうが、価格の方はどうあがいても上がりそうですから、最低1兆7000億……およそ2兆円の積み増し、というのはそんなにおかしな見積もりじゃない気もします。環境保護推進派の方は「そんなにかからない」と主張するかもしれませんが、お金が好きな人の方がお金の計算は確かなので(苦笑
……とはいえ価格が10倍とかになった日には……CO2 削減を排出量取引に頼る場合、排出枠の価格が市場で決まるという経済的リスクに注意する必要がありますね。


ちなみに、今は京都議定書の第2期(08-12年)にあたるので、90年比6%削減の未達部分について、CO2 1トンあたり罰金100ユーロと、第3期(13-20年)に排出量枠を同量削減されるというペナルティを被る予定です。
この部分については排出量を購入する事になるでしょうね……


排出量取引に関する詳細は、まずは wikipedia からでもどうぞ>排出取引 - Wikipedia